[真面目]自殺報道の是非
アナウンサーの自殺報道が連日マスコミを賑わしています。自殺に至った経緯は分かりませんが、その経緯を無理矢理明らかにしようとしたり、誰が悪いといった犯人探しをする論調が多くて辟易しています。
自殺したことは事実ですが、その後の憶測に基づいた報道はまったく必要ないです。公共の電波を使って垂れ流すべき話題ではありません。そんなことは遺族や関係者がひっそりと行なえば良いものであり、興味本位でワイドショーや週刊誌の紙面を使って深堀りする意味はないのです。自殺者が増加する原因としては、このような報道がトリガーとなって潜在的な自殺願望が顕在化するケースが多いのです。
偏向報道はマスコミの常として存在しています。例えば三浦雄一郎さんが75歳でエベレストに登頂したケース。
やっぱり客観報道なんてありえないよね?
三浦さんが登頂する直前に、76歳のネパール人男性シェルチャンさんが登頂に成功した。
その時の朝日新聞の見出しが、こうだった。
***引用開始***
『76歳男性エベレスト登頂、75歳三浦さん先越された』
76 歳のネパール人男性ミン・バハドゥール・シェルチャンさんが25日、世界最高峰エベレスト(標高8,848メートル)の登頂に成功し、最高齢登頂記録を更新した。これまでの記録保持者は昨年5月に71歳で登頂した長野県出身の柳沢勝輔さん(72)。75歳の三浦雄一郎さんが26日にも登頂を目指しており、成功すれば世界記録を更新するところだったが先を越された。
***引用終了***
この見出しを読んだ時に、僕の頭に浮かんだのは「三浦さんが悔しがっている姿」だった。
でも、事実は、違った。
三浦氏は、旧知の友人でもあるシェルチャンさんに
「おめでとうございます。私も苦しんで苦しんでC5まで来ております。
頑張って山頂を目指します」と祝辞のコメントを発表されたというじゃないですか。
三浦さんにとっては、最高齢記録がどうのなんて二の次三の次のことだったんだよね。
事実、ご自身もつづいて登頂成功された後、
一点曇りのない素晴らしいメッセージを出されている。
記者が記事を書く場合、記事を読んでもらいたいから、どうしても煽りの気持ちが入る。
とくに見出しに。記録って言うのは注目を集めやすいから、見出しに使う。
その現われが「先越された」の一文なんだね。
つまりマスコミは視聴率が、部数が取れれば個人の感情を表現によってすり替えることは容易に行なえるわけで、とくに自殺というトピックは死者に口なし、なんとでも書けると考えているのでしょうか。少なくとも自殺するくらいの苦悩に辿り着くことは容易ではないし、それを殊更悲劇のように騒ぎ立てるのは悪趣味です。
自殺を肯定も否定もせず、話題にする必要はないのです。その意味ではこのエントリも自己矛盾しているので、今後一切話題にはいたしません。
- [2008/06/01 00:00]
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[真面目]匿名議論の扱い方
池田信夫Blogの「人材鎖国」というエントリのコメント欄が荒れていました。就職氷河期っ子というHNの方を中心に250コメントもの応酬がされている中で、当初は様々な示唆がありましたが、最終的には言葉尻を叩くような感情論に終結してしまったのが残念です。
そもそものエントリの論調としては、現状のITゼネコンにおける多重下請け構造をレトリックに使って「正社員だけを過剰保護する雇用慣行のおかげでSI業者が人材派遣業になってしまったため、企業のコア部門にITのわかる人材が育たず、情報システムでイノベーションが生まれないから若者のIT離れが進む・・・という悪循環が急速に進行している」と現在の労働法での正社員の解雇要件の緩和を説いています。そこに個人的な経験から否定的なコメントを繰り返す就職氷河期っ子氏と槍玉に挙げられたSI業者の中の人のTom氏の応酬が発端となって、本人の属性を特定しようとする煽りも含めて収集がつかなくなった形です。
オイラなんかは官僚だった兄や政治家とも接する機会が多いので、裏で悪事を働き搾取する国家権力はけしからんという就職氷河期っ子氏の論調はちょっと被害妄想入っているかなと感じてしまいますし、一方でIT業界に身を置く者としてTom氏のIT業界だけの問題ではなくクライアント企業を含めた社会全体の問題という論調も理解できます。
ただ、池田信夫氏のロジックに合っているのはどちらかといえば就職氷河期っ子氏の方であり、それは彼が継続的に池田信夫Blogに対してコメントを入れ続けていることからもかなり池田氏の考え方は咀嚼できているのだろうと推察します。実際には池田氏が回答せずにコメント欄を放置したために、代理戦争のような形で就職氷河期っ子氏に非難が集中したというのが客観的には感じられました。
正直、ポジショントークは議論が収束することが少ないですし、だんだんと不毛な論争になっていくケースが多いです。ただ、相手側の論理にはヒントが隠されていることも多く、情報の受け取り手がどのように感じるのかを想像しながら情報を発信することが重要です。恐らく現実には絶対に出会わないであろうポジションの人たちが持論をぶつけることができることが匿名掲示板などのメリットであって、そこに建設的にコミットできれば得られる部分は大きいです。
少なくともオイラはこの議論の中から、レガシー企業と新興企業の労働生産性に関する知見を得られることができました。そのエントリはまた別の機会に。←ズルい
- [2008/05/27 00:00]
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[真面目]ワークライフバランス
「私、ここで結婚できますか?」と聞く女子大生、どう思います?
ちょっと気張った、高めのランチを出すレストラン。対面には、会社訪問にやってきた21歳女子大生が座っています。何を話してあげたらいいのか、何を聞かれるのか。ちょっとどきどきした気分で、お手ふきの封を開けたところで、女子大生が口を開きました。
「あの、転勤ってあるんですか? 私、家族とか友達も大切にしたくて」。
さて、この一言に何を感じるでしょう。
「今流行のワークライフバランスってやつか。最近の学生はしっかりしているな」でしょうか。
それとも「OB訪問でいきなり私生活の話? 仕事をなめんな」でしょうか。
前職までであれば、後者寄り。現在は前者。
本来であれば生活時間の中に労働時間が包括されているわけで、生活の豊かさを求めるために労働しているとも言えるわけです。労働によって生活が浸食されていくことが当たり前がと思ってしまう認識の方が異常であって、労働していく中で徐々に麻痺していってしまう感覚なのでしょうね。
例えば、「ワークライフバランス」や「ダイバーシティ」。最近、雑誌やネットでよく見るようになりました。それを受けて学生たちも、「そうか、仕事と生活の両立を考えるのは当たり前なんだ」と理解して、就職活動に励みます。
でも、当たり前ですが学生たちは働いたことがありません。彼らが真剣にワークライフバランスを考えても、現実とずれたイメージを抱いてしまう。そして、そんな学生たちの考えを、働く環境に適応しきった社会人は理解できません。そして「最近の若者は〜」と嘆くようになる。
「最近の若者は〜」という呪文はエジプトの壁画からも発見されているくらい人類社会にインプリンティングされているわけですが、前提としては年功序列型の考え方で年長者は若者よりもあらゆる面で優れているという奢りが見え隠れします。ところが実際には体力はもちろん、業務遂行能力も30代をピークに衰える一方なわけですから、あとは経験に裏打ちされた人格の部分で存在価値を出していく他ありません。そして人格者の口からは「最近の若者は〜」という抽象論なんて出るわけありませんから、だいたいが自身のコンプレックスや若さに対する嫉妬として判断できるわけです。
当時の私の会話も、今、社会人の視点に立てば、「浮ついた話をしているな」と思えてしまいます。ですが、当時の私たちは“浮ついた話”でも何でもなく、自分の人生がかかった重要な話をしていたつもりでした。
学生と社会人のズレはなぜ起きるのでしょうか。働き始めると、そんなに価値観は変わるものなのでしょうか?
パスカルの言葉に、「人間の小さな事柄に関する敏感さと、大きな事柄に関する無感覚は、奇妙な入れ替わりを示している」という物事の優先順位への矛盾が挙げられているものがあります。つまり日々の業務という「小さな事柄」に流されると、人生やキャリアといった「大きな事柄」を考える余裕がなくなります。そうすると労働者は大局的な思考停止に陥り、残業や転勤に文句も言わずに従う奴隷のような存在になっていくのだと言えます。
とくに日本人は報告書の体裁や命令系統の伝言ゲームなどに時間を費やすことが好きみたいですが、家族や大切な人と過ごす時間よりも大切なのかと考えると、ほとんどの業務が本質的に他の手段によって代替できたり、効率化できたりするものです。そして変化の激しい時代においては、会社の中でセコセコ働いている人よりも社外でアンテナを広げている人の方が成果を挙げられる環境になってきています。
豊かな人生を送るためには、自分の予定表を生活時間から埋めていって最低限の労働時間を設定する必要があります。もちろん経済面で労働時間を減らすことによる収入減などが発生するでしょうが、それは単位時間当たりの生産性を向上させるか、収入に合った生活レベルにするか、2つの選択肢のどちらかを選べばよいのです。
学生が「浮ついた話」をしているのではなく、日本の社会人が病的に「お仕事好き」なだけです。そしてそんな社会人に自分がおかしいということを意識させない日本の社会主義は、崩壊しかかっているとはいえまだまだ根強いんですねぇ。。
- [2008/05/10 00:00]
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[真面目]新しい世界
このG.W.は読書漬けで過ごしています。テーマとしては、世界のなかの日本の現状を把握することに重点を置いており、歴史的経緯から宗教、国家、企業の成り立ち、そしてこれからの未来がどうなっていくのかを洞察していくことを目的としています。個人的に理系だったこともあり、この辺りの教養が非常にお粗末なのですが、遅ればせながら温故知新というか、歴史から学ぶ重要性に気づきつつあります。まずは前提条件として、なるべく客観的に日本という国の成り立ちを時間のあるときに勉強しようと考えました。
まず概論的な部分では、日本文化研究の第一人者であり著名な書評家でもある松岡正剛氏の講義を受けてみることにしました。"17歳のための"と銘打ってありますが、30代でも40代でも正確に把握している人は少ないであろうユダヤ教からキリスト教への成り立ち、日本古来の神話の意味、西洋文化に影響を受けた和洋折衷の現代という流れで世界史の観念的繋がりを解説しています。いやはや、この本に17歳で出会っていたなら、もっと世界史に興味を持つことができたのに。。とちょっとくやしい気分です。
草思社 ( 2007-07-24 )
ISBN: 9784794216090
おすすめ度:

続いて地政学的観点からの把握も試みようということで、地図から世界がどのように変遷していったかをビジュアル的に見ていきました。この本の特徴はアフリカや南米など第三世界の記述が多く、我々が日常的に陥りがちな欧米中心の世界観を是正するのに役立ちます。最近話題のチベットに関しても1984年以降の中国による区画整理の衛星写真が示され、いかに理不尽な開発が行なわれているかを明示しています。また、ディエゴ・ガルシア島やパナマ運河など、アメリカのグローバル政策上の重要な戦略拠点も余すことなく掲載されており、新帝国主義の概略が掴めるようになっています。
あんまり知識を詰め込んでいると知恵熱が出そうなので、写真集で気分転換です。日常的な空間も撮影方法によってはミニチュアに見えてくる、そんな不思議な感覚が味わえるのが small planet です。オイラ自身も高い展望台に上って見渡すのが好きなのですが、高所恐怖症気味なせいか下を見るのは苦手なんですよね。。でも写真集なら大丈夫なのです。
とりあえず世界情勢の現状把握を行なったところで、未来の世界がどうなっていくかを俯瞰していきたいと思います。もちろんこれが最も難しくほとんど予測不可能ではあるのですが、アプローチ方法はなんとなく見えてきているカンジもします。つまり、社会を成立させていた基盤が 宗教⇒国家⇒企業 と移り変わっていくなかで、資本主義を超える価値観というのが今後の世界を変えていく役割を担うはずです。
9.11のテロ以降、何が変わったのでしょうか?我々を取り巻く環境は少なくとも変わっていませんが、我々の意識はハッキリと変わりました。規模の経済によって大量生産大量消費を行なうことは決して幸福には繋がらず、富める者と貧する者の格差は憎しみの連鎖を生み出します。経済のグローバル化が人間生活の発展に寄与しているとは言い難く、化石燃料や天然資源、食料問題、地球温暖化といった限界点が近づいていることは明白です。
それじゃ、途上国に補助金をジャブジャブ渡せばイイというのが日本政府の考え方ですが、ずっと中国に円借款を行なった結果がどうなったのか、キチンと把握してから貴重な税金を使ってもらいたいものです。日本が持っている資産は高効率発電技術や自動車のハイブリッド、太陽光発電など、限られた資源を有効利用するための高付加価値な技術力です。
例えばアフリカで現地のマイクロクレジットによる社会起業を支援するために、太陽光パネルと衛星通信によるインターネットインフラを提供したりできないのでしょうか?エネルギーとITさえあればGoogleAdwordsで広告収入が得られるわけですし、もはやコモディティ化したWeb制作などは労働集約的な作業になっているのですから第三世界にアウトソースすべきです。
太陽光パネルと衛星インターネットで10万ドルのコストがかかっても、日本が食料援助に出す100億円で1,000拠点のビジネスユニットを作り出すことができます。資本金1,000万円の会社を1,000社も作るインパクトといえば、万単位での雇用と億単位での経済規模が保証できることでしょう。日本企業にとっても太陽光パネルのマーケットが広がるわけですし、日本国内でくすぶっているフリーターやニートもまとめて青年海外協力隊みたいな形で放り出してもよいかもしれません。
とまぁ極端な例で示しましたが、日本の知識産業ノウハウがあれば第三世界でのグラミン・モデルでの社会起業支援は容易にできます。もちろん、日本国内においても社会起業による小規模分散型ビジネスは今後加速していくことでしょう。多様な独創性に溢れるビジネスモデルが生まれれば、それだけ"海外に売れる商品"も増えるということです。資本主義を超えるネットワーク型のWeb=クモの巣モデル、なんとなく世界平和への道が見えてきたように思えますね。
- [2008/05/06 00:00]
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不動産神話を超えて
なぜ、「購入 VS 賃貸」 という比較がナンセンスなのか?
新築価格が 4000万円のマンションを 35年ローンで買ってもいいのは、
ローン完済時に 5214万円以上で売却することが期待できる場合に限られる。
というわけで、5214万円÷35≒年平均150万円 の不動産ローンに代わる住宅に関するお金の使い方を提案するこのコーナー、時間がないのでどしどし行ってみましょう!
a. 田舎に一戸建てを購入し、家族はそこに住む。金土日+1日在宅勤務で平日3日だけ都内のマンスリー
⇒田舎ならば、1000万円もあれば結構な豪邸に住めるようです。子どもが都会の毒に汚染される心配もないですしね。週末LOHASライフは理想的です。あとはなるべく平日の仕事量を減らしていくことに集中すればよいだけです。
b.両親の住む実家を二世帯住宅にリフォーム。両親の生活を心づくしの家賃で補助。
⇒実家なのでもともと自分たちが育った場所は住みやすいですし、子どもの世話もしてもらえます。また、両親にも経済メリットを提示すれば年金不安なども解消できますね。注意点は嫁姑関係だけか。
c.ニュージーランドで住宅を購入、家賃収入で日本の賃貸を借りる。老後は移住。
⇒不動産に係る税金がほとんどなく、しかも不動産価格が上昇し続けている海外に不動産資産を求めるのは合理的ですね。時差もあまりないですから、在宅勤務したとしても日本でのビジネスにもあまり支障はありません。
というわけで、マンションを購入することによるローン金利や中間マージンを省くことによって、意外と豊かな暮らしができそうですね。個人的にはcパターンに激しく惹かれますが…羊と暮らしたい。
- [2008/04/08 00:00]
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![未来をつくる資本主義 世界の難問をビジネスは解決できるか [DIPシリーズ]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51W%2BTvSNA-L._SL160_.jpg)

